株式会社one-recollection

リモートワークの良い面と課題(企業視点)

コロナウイルス感染拡大によって、外出自粛を強く要請されています。その中でじわじわ浸透していたものが、爆発的に浸透されたものがリモートワーク(テレワーク)です。

実はこのリモートワークも大きな働き方の転機になっていくと考えています。

私も経営者の端くれであり、いままで多くの経営者との仕事をしてきた中で感じる、リモートワークのメリットと普及することへの懸念について企業側・労働者側の2つの観点から考察してみたいと思います。(今回は企業視点です)

そもそもリモートワーク(テレワーク)ってなに?

リモートワークとはなにか、weblio辞書で調べてみました。

「リモートワーク」とは、在籍する会社のオフィスに出社せず、自宅やレンタルオフィスなど、会社から離れた(リモート)場所で業務を遂行する勤務形態。ほぼ同義のテレワークやいわゆる在宅勤務を、こう呼び替えるケースが増えています。場所や時間の制約にとらわれず、よりフレキシブルな働き方を実践できるワークスタイルが注目を集め、育児や介護と仕事の両立を支援するなどの目的で、企業が積極的に導入を進める動きも広がっています。

ちなみにテレワークも「tele = 離れた所」と「work = 働く」を併せた造語のようです。同じ意味ですね。

直近でいうと、コロナウイルス感染防止の観点で、「三密(密閉・密集・密接)」を防ぐ意味で満員電車は避けるべきだと考え、多くのホワイトカラーの人材を多く抱えている企業がリモートワークに切り替えようとしています。

リモートワークの導入社数から見る現状

少しデータとして古いですが、IDC Japanの「国内テレワーク 導入企業数と導入率 産業分野別予測、2017年~2022年」の調査によると、2017年におけるテレワーク導入の企業数(従業員2名以上の企業)は14万社と推計されます。企業規模別の導入率をみると、従業員が499人以下の中堅中小企業の導入率は4.7%、同500人以上の大手企業では23.6%と大手企業であればあるほど、導入されているというのが現状です。

大手企業でリモートワークの導入が進んでいる背景は、「社員のダイバーシティ(多様性)の拡大を背景とした、働き方の多様化に対するニーズ」「顧客との立地の近さ」「ICT導入の格差」などが考えられるとのこと。

またリモートワーク導入率を業種ごとに見てみると、サービス・製造・金融業界は比較的導入率が高いのに対し、医療・教育・公益業界は相対的に低いことが明らかになっている。低い背景としては、顧客との対面や関係性の深さ、個人情報漏洩への器具、大規模な研究機材などの制限から、リモートワークが導入しづらいのだろうと挙げられている。

国としても今回のコロナウイルス禍のことを除いたとしても、リモートワーク普及率を高めようとしているので、導入率の低い医療・教育・公益業界や、中小企業への導入がなければ、なかなか普及率が上がらないので、課題を解決しなければなりません。

ただ、いまの期間に限ってリモートワークを臨時導入しているという企業もいると思いますが、では今後リモートワークが普及していった場合、得られるメリットを考えていきます。

リモートワークのメリット

1.オフィス賃料・電気代・交通費など、会社維持費のコストカット

言わずもがなかもしれませんが、例えば渋谷に従業員100名の企業があったとします。従業員を迎え入れるために、都心の比較的立地が良いところに100名が収容できるオフィスを借りなければなりません。(ここでは200坪必要と想定)

渋谷の平均坪単価が3.4万円であるため、その場所を確保するだけで月あたり680万円の経費がかかってきます。ここの建物としての費用を考えると、800万円はゆうに越えていきます。

ただこの100名が全社員リモートワークで、社長と残り数人が集まれるような場所に引っ越しをすれば、賃料を大幅にカットできます。

加えて、リモートワークになれば通勤交通費などは支払わなくて済むため、容易にコストカットが実現できます。

2.採用要件の拡大

いままで企業が人を採用するときは、主に職務経験などを判断して採用活動を行っていました。ただそれだけでなく、当たり前すぎて見逃されていますが「通勤可能かどうか」も判断基準に入っていました。勤務地が東京にある企業は、大阪・福岡の方を採用することはありません。(本人が就職を伴う転居を望まない限り)

リモートワークが普及すれば、「通勤可能かどうか」などは当然関係ありません。日本全国だけでなく、世界中の人が職務経験を満たしていれば、採用要件に入ってくるわけです。

わたしも一度全社員リモートワークの会社で業務委託の求人制作ディレクターの仕事をしていましたが、同ポジションの人たちと集まったときは、福岡と熊本に住まわれている子育て中のママさんでした。

住んでいる場所、家庭事情など関係なく、採用することができるのです。

3.非常時の事業継続性の確保

近年の夏頃になると、「台風が来てるのに、出社を強要される。ブラック企業だ…」などとネットがざわざわすることが毎年の夏の風物詩になりました。ただリモートワークに切り替えることができれば、台風だけでなく、今回のコロナウイルスのように、非常時でも事業継続することができ、事業利益の損害を最小限に抑えることが可能となります。

ここまでリモートワークのメリットについて考察してみましたが、起きそうな課題についても考察しました。

リモートワークの課題点(企業側)

1.業績が下がる可能性がある。

先程労働者側のメリットで記載したように、コミュニケーション量がよくも悪くも効率化されます。その結果、チームワークが疎かになる可能性がなったり、コミュニケーションロスが発生(この話は今度でいいや…)などが重なり、事業の進捗具合が鈍化される可能性があります。

実際にリモートワークが定着しているアメリカでは、逆に制限の動きも見られています。例えば、米Yahoo!やIBMが、立て続けに「リモートワークを制限し、原則出勤するように」という方針転換を見せるようになりました。

高度な仕事になればなるほど、仕事を細かく切り分けられないため、会社の外で個々人が取り組むのに不向き、ということです。

ただリモートワークによる業績の影響については、大手インターネット企業で、今回のコロナウイルス禍でいち早く全社員リモートワークを導入したGMOグループの熊谷CEOがリモートワークにしても『業績に影響がほぼない』明確に否定をしています。

※インタビューに回答されている記事がありますので、こちらからご覧ください(https://news.yahoo.co.jp/byline/kandatoshiaki/20200228-00164862/

ただGMOはネットインフラが整っており、かつ日常的にオンライン会議などを積極的に導入していて社員の抵抗感もなく、社内でのオンラインコミュニケーションの仕組みがあるため、影響が少ないのではないかと考えます。

つまり普通の企業が何も考えなしで、リモートワークに切り替えてしまうと、業績に影響がでる可能性があります。

2.アナログ文化との融合

ペーパーロジック社は3月6日、東京在住の会社員でリモートワーク・テレワークを行っている111人を対象に実施した「リモートワーク・テレワーク」に関するアンケート調査結果(https://www.ryutsuu.biz/strategy/m030651.html)によると、リモートワークの課題として、書類に勤務先のハンコを押印する必要があり、上司の承認・決済が取りにくいと答えた人が28.8%いるとのこと。

このハンコ文化を始め、会社の代表電話の取次、郵送物の対応など、いままでのアナログ文化との融合をしなければならない。私も捺印して、返送して…というのが非常に面倒なので、クラウドサイン(https://www.cloudsign.jp/)を活用していて、非常に楽ですが、ここの融合には相当なハードルがあると思います。

※いまの閣僚のIT担当大臣が「日本の印章制度・文化を守る議員連盟(通称:はんこ議連)」の会長を務めているので、ハンコ文化をなくす気はないと思いますし。。

どう付き合っていくかが課題ではないでしょうか。

3.給与制度・評価制度の見直す可能性

旧来は会社に来て一緒に働いて…という流れだったため、ある程度監視下の元、勤務時間を拘束して従業員に仕事をさせているのが一般的でした。ただリモートワークになることによって、勤務時間を拘束という概念はなくなり、やることさえやっていたらOK、という海外に近い成果主義が主流になってくると思われます。

いままで給与制度・評価制度が定性要素が強い企業は、成果主義で出来ている人が報われるという制度を再構築しなければなりません。

(逆を言うと、仕事してる風の人で実際にしていない人を炙り出せるわけですが…)

4.社内にいるリモートワークができない人への配慮

業界や職種、ポジションによっては、リモートワークが不可能な仕事もあると思います。ただ社内でリモートワーク推進しているのに、ある仕事の人だけ出勤を命じられ、出社をするのに、同じ給料…だと不公平感を感じ、社内エンゲージメントを下げてしまう恐れがあります。

実際にさくらインターネットは20年4月9日、新型コロナウイルスの緊急事態宣言が出た対象地域で出社する社員に対し、1日5000円の出社手当を支給する措置を始めたようです。データセンターでの作業など、出社が避けられない業務に当たる社員への支給を想定したという。

どうしても出社しなければならない人への配慮を行うことが、社内を円滑に進ませるやり方ではないでしょうか。

5.企業ブランディング、採用アピールに繋がる

労働者の多くがリモートワークを希望している状況ではあるものの、まだまだリモートワークの企業普及率は過半数を下回っている現状です。ただその中でリモートワークの浸透が上手くいっている企業は、差別化をすることができ、企業ブランディングと採用のアピールに繋がります。

少なくともリモートワークを希望している求職者は、転職時にリモートワークNGの企業にはよっぽどの限り転職しないので、それだけで採用優位になります。

まとめ

私もコロナウイルス前は、「ここ1〜2年、働き方の多様化(副業やフリーランス人材の増加)が起こっているので、その受け入れ企業が増えてくると自然とリモートワークも4年ぐらい掛けてゆっくり浸透していくんだろうなあ」と思っていましたが、いまの非常時を経て、事業継続のリスクヘッジを考えて、企業がリモートワークの導入に対し、一気にアクセルが踏まれると思います。

ただ「はい、明日からリモートワークです」となってしまうと、セキュリティ課題や評価制度の課題、アナログ文化との融合課題など、乗り越えなくてはならない壁がいくつもあり、そこのへのエネルギーは多少なりとも必要だと思います。

(また今のままだと労働者のマインド課題もあるので、適当にリモートワークを行うと業績が下がる可能性が十分にあります)

ただ適切にリモートワークの対応を行いさえすれば、経営者の観点から見ると、純粋に固定費が下がり事業の粗利が増えることがリモートワークなので、導入しない理由は一切ないと思います。

弊社(株式会社one-recollection)では、リモートワーク推進のための簡易コンサルティングも行っておりますので、もし何かお困りごとがあればご連絡ください。

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