株式会社one-recollection

転職エージェントをうまく活用するために…

昨今転職するとなったときに主流になってきた手段として、転職エージェント(別名:人材紹介サービス)が挙げられます。もう少しエージェントも古い手法になりつつありますが、それでも多くの企業がエージェントからの採用を行っておりますし、求職者もかなりの数がエージェント面談しています。

そのなかでみなさん1回は経験あるのではないでしょうか。
エージェントの人と話が噛み合わない…
エージェントが良い求人紹介してくれない…

ただそれって自分自身にも問題があることも多分にあります。今回はエージェントに振り回されず、うまく利用できるための方法を、中途採用領域の経験が5年で、自身もエージェントを使って3回転職活動を行った私がご説明できればと思います。
(転職エージェントだけでなく、新卒エージェントにも似たようなことが言えるので、新卒就活中の人も参考にしていただけますと幸いです。)

1.相手(転職エージェント)を知ろう

1.1 エージェントの中身

転職エージェント内は、大きく2種類の職種が存在します。
RA(リクルーティングアドバイザー):エージェントと採用したい企業をつなぐ法人営業
CA(キャリアアドバイザー):エージェントと求職者をつなぐ個人営業

平たくいうと求人のことや、企業のことを一番詳しく知っているのが、RA。一般的に求職者が会うのはCAといった分業制になっています。エージェントによっては、RAとCAを1人の人間で補っているケース(一気通貫型)もあります。

1.2 お金の生み出し方

当然ですけど…転職エージェントはボランティアでは行っていません。
もちろんビジネスとして利益を生み出さなくてはなりません。そして一般的な転職エージェントに登録するとき、求職者は無料でCA(キャリアアドバイザー)と面談していると思います。
※一部の特殊な転職エージェントは除く。

ではどこで利益を生み出しているのか。。
それは転職が決まったタイミングで、採用企業とエージェント間でお金が発生しています。
具体的にいうと、内定承諾に至り、実際にその求職者が次の会社に入社した初日にエージェントから採用企業宛に請求書が発行され、採用企業が請求書金額を支払うといった流れになります。

採用金額は採用難易度や、エージェントによって様々ですが、一般的には理論年収の30%~35%をエージェントに支払う形となります。
つまりあなたが次の会社に500万円を提示され、入社が決定した場合、採用企業は150万円~175万円をエージェントに支払っているわけです。

ちなみに返金規定というものをあり、もし入社した人が1ヶ月以内に辞めると、エージェントに支払った金額の80%を返金してもらえる…というシステムも、エージェントによってはあります。

1.3 大手エージェントと中小エージェントの違い(ハード面)

よく「どこのエージェントに登録するといいですか?」みたいな質問をもらうケースが多々あるのですが、エージェントとしての機能は大きくはどこも変わりません

昔は大手エージェントのほうが求人数が豊富で、中小エージェントのほうが企業とのつながりが強い…とか言われていました。
ただ、いまではagnetbankやJoBinsのような人材紹介会社が閲覧できる求人データベースなどがあり、中小エージェントでも2000〜3000件の求人を求職者に対し、紹介することが可能です。

もちろん今でも大手エージェントしか取り扱っていない求人がある、中小エージェントの代表と関係性が深い企業の求人がある…ということもあります。
大手エージェントは言うまでもないと思いますが、中小エージェントの場合は代表の経歴などを確認すると良いと思います。経歴を見てどこの会社でのつながりが強く、どういう求人を紹介してくれそうなのか、ふわっとイメージできますので。

2.転職エージェントを鵜呑みにしてはいけない3つの理由

2.1 エージェントには四半期ノルマがある

もちろん会社によって違いますが…転職エージェントにも四半期ごとに設定されたノルマが課せられています。RAもCAもいかに面談した求職者を入社決定させるかが、重要になっています。それによって給与やインセンティブが変わってきますから。。
つまりエージェント側からすると、採用金額が高い×採用難易度が低いの案件をいかに求職者にゲスさを出さずに提案するかがカギになってきます。

2.2 「半年後に転職考えています」より「いま転職考えています」の人を優先

2.1で話したノルマに関係しますが、いますぐに転職を考えています、という人は、エージェントからするとありがたい人材で、丁重におもてなします。

ただ、半年後の転職を検討しています、という人には前者の人よりぞんざいに扱われがちです。
理由としてはシンプルですが、
・今Qのノルマに貢献してくれない。
・半年間の転職検討期間であらゆる転職手法を検討されてしまう。
・「結局転職しないです」という心変わりの可能性もある。

もちろん露骨にそんな雰囲気は醸し出さないと思います。醸し出しすぎると、クレーム案件になりかねないし、そうなるとまた別の工数が発生していまいますし…。

2.3 (良くも悪くも)決まるところを紹介される

これも2.1と関係しますが、面談した転職エージェントから転職してくれないと、エージェント側からすると一銭もお金が発生されません。
つまりあなたが希望する転職(理想の転職)を実現させるものではなく、あなたにとって現実的な転職を実現してくれます。
自ら望んで現実的な転職を行ったのであれば、それも1つの正解だと思います。ただエージェントに言われるがまま、なんとなく現実的な転職をしてしまったのであれば、理想と現実のギャップで後悔してしまいます。

3. 転職エージェント側のホンネ

少し転職エージェントの闇の部分を書きましたが…エージェント側もリピートのため(次の転職のときもうちのエージェントを使って欲しい)に満足度を上げたいですし、建前抜きに人材業界に携わっている人間は「人の人生を左右する仕事にやりがいを感じる」とほとんどが思っているので、利益第一主義で仕事をしている人は少ないと思います。
※利益第一主義のエージェントであれば、そこはもう組織として残念ですし、エージェント事業を行う価値がないと個人的には思うので、淘汰されるべきです。

でも実際に「あそこのエージェントがだめで…」など愚痴をもらす求職者も多いのが現状です。本当にエージェントだけが悪いのでしょうか。
エージェント仕事もやっていた私から、こういう求職者(=面談者)がいたというお話をします。

3. 1 転職相談がすべて受け身

エージェントの面談内容は一般的に【いままでの経歴】【現職の現状】【転職理由】【希望軸】の4つのブロックに分けてヒアリングします。
その際、特に希望軸が明確になくふわふわしている人は非常に困ります。。
第二新卒(社会人歴2年目以内)の人なら全然だいじょうぶなんですよ。そういう人のほうが圧倒的に多いですし、年齢が若ければ未経験募集している求人もたくさんあるので、こちらからのご提案余地があるのですが、社会人歴6年目以降で希望軸が定まっていないと、どの求人をご紹介したらいいか、ものすごく迷います。
とりあえずの軸がないと、軌道修正(理想の転職から現実的な転職)もできないですし、とりあえず数多くの求人票を送って、エントリー希望の求人の特徴を捉えて「きっとこの人の希望軸はこれだろう」と推測する必要があります。

それはエージェントからするとかなりの工数で、他の求職者の面談が控えているのであれば、後回しにされます。。

3.2 半年後の転職を検討している…というのに、現職への不満がない

一般的に転職は、「現職で叶えられないものを、叶えたいので転職をする」というのが王道になっています。
逆にその王道以外で転職されるケース(会社都合の解雇などを除く)はほとんど見かけません。
さきほどの2.2で説明した中長期的な転職願望のある方でも、その転職願望を持った動機があるはずなのに、その動機がない人or動機が薄い人もいらっしゃいます。
そういう人の面談の場合は、大変です。。先程説明したように「やっぱ転職やーめた!」ってなる可能性も高いですし、いちCAとしてそれぐらいの動機の人のフォローは結構骨が折れます。。

3.3 エージェントに心を開いてくれない

これはエージェント側に問題がある可能性が大いにありますが…求職者が心を開いてくれないと結構大変です。。
本心ではないありきたりな転職理由を言われたり、提案した求人にもそっけなく対応されたりすると、求職者の真意を読み取るのが非常に難しく、理想の転職を実現させようと思っても、「この求職者のこと、よくわからない…」状態になってしまい、ありきたりな求人を紹介せざるを得なくなっていまします。

4. 転職エージェントをうまく活用するために…

そんな本音と建前が入り乱れた転職エージェントですが、採用手法としての高いシェアも誇っているのも事実ですし、優秀人材を採用しようとしている企業はエージェントを利用しているケースが非常に多いです。
最後に、そのエージェントをうまく活用(ハンドリング)する方法を考えてみました。

4.1 エージェントとはビジネスパートナーである。

エージェントはサービス上、相談に来る人・相談に乗る人の構図になるため、誤解されますが、ビジネスパートナーだと私は思っています。
※なんなら相談に来る人で利益を生み出してくれるので、若干立場的に上な気がしています。。笑
なので、自分が思っていることや転職で叶えたいことなどは包み隠さずさらけ出してください。
そうなるとCA(キャリアアドバイザー)も、できるだけ希望に近い提案をしてくれます。

もし包み隠さず話したくないようなキャリアアドバイザー(例えばレスポンスが遅い、なんか信用できない)などあれば、大手エージェントの場合は気兼ねなく担当変更を依頼してください。
不信感を持ちつつ転職活動をしたところで、自分が不幸になるだけです。
担当変更することで、エージェント側からすると貴重な150万円の売上が逃げてしまうので、担当変更後のキャリアアドバイザーは、変更前の人よりも先輩か上司かが付いてくれ、色々対応が丁寧になる可能性があります。
もし担当変更後もあれでしたら、エージェントを変えましょう。

4.2 専門職×転職軸が明確な人なら専門エージェントに。

たとえば「ITエンジニアとしてキャリアを積んでいく」や「コンサルになりたい」など、専門職になる転職軸が明確な人は、その業界専門の転職エージェントに行くことをおすすめします。
専門エージェントの場合は、囲っている(面談済みの)求職者が総合エージェントに比べて多くないため、求職者育成にも力を入れていますし、業界に特化していることで、面接OK回答・NG回答などのノウハウが溜まって、エージェント内展開している可能性が高いです。
現実的な転職から、理想の転職に近づけてくれる可能性が一番高いと考えます。

4.3 転職検討の人はエージェントに相談ではなく、自己分析を。

あくまでも転職エージェントは、転職を叶えさす場所であって、導いてくれる場所ではありません。自分の理想を現実的なところに落とし込んでくれますが、理想を見つけてくれる場所でもありません。
つまり「自分が転職を通じて叶えたいこと」「自分が楽しいと思える仕事はないか」など、軸がない人はエージェントにあれよあれよと、流されて望んでもいない転職をしてしまう可能性があります。

当たり前ですが、自分の理想は自分の中にしかありません。
そして日々忙殺していると、その自分を見失ってしまいます。

いままで何をしているときが楽しかったのか、人生の岐路でどういう決断をしたか、◯年後どういうことになっていたいのか、を自己分析することが、エージェントに振り回されず、いい意味でエージェントを使い倒せる秘訣になります。

5. きづく転職相談

「きづく転職相談」という事業を開始しました。
ここでは自己分析を中心に、自分の転職の軸を見出す場所になっています。
エージェントや、きれいな言葉を並べられた求人原稿などに振り回されず、「仕事って楽しいかも…!」と思える、キャリアを構築できればと考えています。

無料カウンセリングから始められますので、興味のある方はぜひご覧ください。

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